竹山流・津軽三味線(栄山会門人)教室のご案内

 

はじめに

 津軽の厳しい風土と風雪に耐えながら、ボサマと蔑まれ差別された男盲芸人たちが、その日の糧を得るために、まさに生きるために編み出した津軽三味線。太棹を使ったダイナミックでリズミカルな即興性に富んだ奏法は、ジャズやロックにも共通したものがあり、今や日本を代表する民族音楽として世界に羽ばたくようになりました。地元青森では全国大会等も開かれるようになり、全国から多くの若者が集います。
 テレビ、ラジオなどから流れる津軽三味線の音色に魅せられて、あのように弾ける様になりたいと思う人はたくさんいることでしょう。しかし巷に数多くある三味線教室の中から、いったいどれを選べばいいのか、初心者の方は迷うと思います。まず始める前に、津軽三味線とは何のか?をよく知る必要があります。

津軽三味線

   津軽三味線とは青森県津軽地方に伝わる三味線音楽です。その津軽三味線も、昔は「ボサマ」と蔑まれた、その日暮らしの男盲芸人たちが、その日の糧を得るために一軒一軒門付けをしながら三味線を弾き、厳しい風雪に耐えながら生きてきました。それは生活のための、まさに生きるために弾いた三味線なのです。哀しい運命を背負った先人たちによって、その奏法と生命は引き継がれ、そして時代の流れによって奏法もいろいろと変化してきたのです。

三味線の種類

   
左から細棹、中棹、義太夫用の太棹

  三味線の種類には棹の太さにより、大きくは細棹、中棹、太棹と3つに分かれており、細棹は小唄や長唄に、中棹は地歌や一般民謡に、太棹は義太夫や浪曲等に使用されています。、そして現在では津軽三味線も太棹を使っているのがほとんどですが、昔ボサマ達が門付けをして歩いた頃は太棹などは重くて、とても持ち歩けるものではなく、実際には細棹だったのです。

 昔、津軽で唄会(民謡ショーのようなもの)などが開かれたときに、今のようにマイクのない時代でもあり、歌い手と伴奏者が共に競うようになりました。音量的にも負けまいと三味線にも工夫が施され、三味線の皮が張ってある胴も大きくなり、それに伴ってバランス的に棹も太くなっていったのです。ですから津軽三味線を弾くのに太棹でなくてはいけない、ということではありません。
 

叩き三味線と弾き三味線の流れ

   
木田林松栄         高橋竹山

 津軽三味線と一口に言っても二つの流れが存在します。1の糸を豪快に叩くように弾く、叩き三味線。そして名匠・高橋竹山の流れを汲み、まるで唄をうたうように奏でる弾き三味線があります。
 昔、名人と言われた・木田林松栄と高橋竹山が岩波ホールで公演した際に、林松栄が「津軽三味線は叩くもんですよ!」と言い、それに対して竹山が「津軽三味線は叩くもんでねえ、弾くもんだ!」という会話がなされ、これが後に叩き三味線、弾き三味線という言い方をするようになったのです。しかし、この時の会話の真相は、林松栄は確かに一の糸を豪快に叩くような弾き方をした人ですから、「津軽三味線は叩くように弾くものだ!」と言いたかったところ、竹山は「何言ってるんだ、三味線はもともと弦楽器だから弾くもんでしょう!」と答えただけなのだが。それを後にマスコミが面白おかしく伝えたことで、叩きの三味線、弾きの三味線と言われるようになったようです。
 津軽三味線は皮を撥で叩くようにも弾くし、奏でるようにも弾きますから、弦楽器でありながら打楽器の要素も含んでいるのです。また撥を使って演奏する楽器を撥弦楽器ともいいます。


 津軽三味線の魅力

 津軽三味線の魅力は長唄のような伝統的な三味線と違い、即興性があるために楽譜もあまり使われず、未だ完成されたものではありません。音を聴きながら同じ指の動きを再現することも難しいもので、弾く人の感性・技巧により音色も異なります。即興演奏により、弾き手の人格をも表現する、まさに人間の感情を持った音楽といえるのではないでしょうか。
 太棹を使ったダイナミックでリズミカルな即興性に富んだ奏法は、ジャズやロックにも共通したものがあり、今や日本を代表する民族音楽として若者にもたいへん人気があり、その即興性を競う、全国大会も開かれるようになりました。そして即興性を活かした津軽三味線音楽は異種楽器とのセッションも可能なため世界中のミュージシャンからも注目をされて、ワールドワイドに活躍しているのです。

教室を選ぶにあたって 

 現在、巷にあふれる教室のほとんどは、叩き三味線の流れを汲むもので、弾き三味線の教室はほんの一握りです。叩き三味線の流れとは白川軍八郎、木田林松栄、福士政勝等の影響を受けた流派です。弾き三味線は高橋竹山の流派のみです。それぞれ好みがあると思いますので、一概にどれがいいとは言えませんが、習う方はいろいろな奏者の音を聴いてまずは叩きがいいのか、弾きがいいのかを選び、その中からいい先生を選択すべきでしょう。

 巷には津軽三味線教室とありながら、教える中身は津軽でなかったりするところもありますから気をつけなければいけません。一度入門してしまうと、なかなかやめにくくなってしまうものですから、よく吟味した上で自分が何を習いたいのかをよく研究していく必要があると思います。教室でも納得のいくようにシステムを説明してくれるところを選び、あなたも納得して入門するならば長続きするはずです。「継続は力なり」といいますように、継続して初めて芸が生きていくのです。そういう意味でもネット等でいい情報を取り入れて、あなたのお近くで通えそうな教室を探すのがベストでしょう。
 

 本格的に竹山流津軽三味線を習いたい方は下記の栄山会門人の教室までお問い合わせ下さい。

あなたの生き方を応援します。(文中敬略称)


高橋栄山
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