2002年1月24日(木) 東奥日報 ニュース


■ 高橋さん夫妻クウェートで三味線

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高橋 栄山さん
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須藤 雲栄さん
 神戸市を拠点に活動している津軽三味線奏者の高橋栄山さん(青森市出身)と、津軽民謡歌手の須藤雲栄さん(黒石市出身)夫妻が、二月二日から中東のクウェートでコンサートを行う。日本とクウェートの国交樹立四十周年を記念した「日本イヤー」の祭典に招かれたもので、二人は「津軽の風を、砂漠の国で吹かせてみたい」と張り切っている。

 高橋さんは初代高橋竹山氏の直弟子で、須藤さんは津軽民謡の大御所・成田雲竹氏の最後の弟子。夫妻は、初代竹山の勧めで一九七五年から神戸に移り住み、竹山流津軽三味線と津軽民謡の普及に努めている。

 日本イヤーは、日本文化の紹介と交流を目的に、二〇〇一年から〇二年にかけて行われている。現地法人を持つ日本の石油会社が出演者を捜していたところ、高橋さんの弟子で、今回同行する山本竹勇さん(埼玉県)のホームページで高橋さんを知り、白羽の矢を立てた。

 高橋さん一行は今月三十日に日本を出発し、二日に国営テレビ出演後、イスラム文化博物館やフェスティバル会場などで計五回演奏。「津軽じょんから節」「津軽あいや節」など津軽の代表的な曲や民謡を披露する。

 夫妻は九九年には弟子を含め六人で南アフリカ共和国の「ジャパンフェスティバル」に招かれ、公演を成功させている。

 高橋さんは「南アから打診があった時も驚いたが、今回はアラブ。同時多発テロ絡みで不安だったが、『治安の良い国』との説明を受け、文化交流のために決意した。しめ太鼓の代わりに、現地のジロという太鼓を使う予定。どんな旅になるか楽しみ」と期待に胸を膨らませている。



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